データで考えるSNSとメンタルの影響

SNSとスマホ

SNSっていいですよね。いろんな情報や面白い投稿が手軽に見える便利な時代だし。調べたら何でも出てきます。趣味嗜好もSNSって方もいるんじゃないでしょうか?

でもそのSNSを使ってばかりの生活。使い過ぎによるデメリットはあるんでしょうか?

SNSは、もはや生活の一部になっている

日本・米国・中国・韓国の高校生を対象にした調査では、4か国すべてでSNSを利用している割合が9割以上。特に日本・米国・韓国では96%を超えています。日本の高校生は、平日のSNS利用時間で「1〜2時間未満」が26.7%、「2〜3時間未満」が25.3%、「3〜4時間未満」が17.3%となっています。休日になると、日本では「5時間以上」利用する人が27.2%まで増えています。https://www.niye.go.jp/wp-content/uploads/2024/07/zentai-1.pdf

ではなぜ、SNSはメンタルに悪いといわれているのか

1. 他人と比較しすぎるから

SNSでは、他人の良い部分だけが流れてきます。

楽しそうな休日、整った容姿、成功、恋人、友達、旅行、買ったもの、努力している姿。
でも、それはその人の生活の一部であって、全部ではありません。

それなのに見ている側は、

自分は何もしていない
自分は劣っている
自分の生活はつまらない

と感じやすくなります。

米国公衆衛生局長官の勧告でも、SNS上の社会的比較や、外見に関するコンテンツが若者のメンタルや身体イメージに影響する可能性が指摘されています

2. 睡眠が削られるから

これはかなり重要です。

SNSを使いすぎると、単純に寝る時間が遅くなります。
さらに、寝る前に刺激の強い投稿や動画を見ることで、脳が興奮しやすくなります。

睡眠が乱れると、気分の落ち込み、不安、集中力低下につながりやすくなります。2024年のレビューでも、問題のあるSNS利用は、うつ・不安・睡眠問題と関連しているとされています。

3. 情報と刺激が多すぎて、脳が休まらないから

SNSは休憩のつもりで開きます。
でも実際には、脳にはかなり刺激が入っています。

数秒ごとに、

面白い
つまらない
うらやましい
怖い
腹が立つ
もっと見たい
自分も何かしないと

と感情が動きます。

つまり、体は休んでいても、脳はずっと反応し続けている状態です。

2024年のアンブレラレビューでも、SNSの影響は単純ではないものの、使い方・個人差・プラットフォーム設計によってメンタルへのリスクと機会の両方があると整理されています。

4. いいね・反応に気分が左右されるから

投稿したあとに、

いいねが少ない
誰も反応してくれない
既読なのに返信がない
他の人の方が反応されている

となると、気分が落ちます。

本来なら自分の価値とは関係ないはずなのに、SNSでは数字で見えてしまいます。

フォロワー数、いいね数、再生数、コメント数。
こういう数字が、自分の評価のように感じられることがあります。

5. 現実の回復時間が減るから

SNSを長く見るほど、本来メンタルを回復させる時間が減ります。

たとえば、

寝る
散歩する
運動する
読書する
ぼーっとする
友達と直接話す
部屋を片づける
趣味をする

こういう時間が、少しずつSNSに置き換わります。SNSが直接メンタルを悪くするというより、心を回復させる行動が減る という見方もできます。

使いすぎると、幸福感が下がる可能性がある

JAMA Pediatricsに掲載された、オーストラリアの児童・生徒100,991人を対象にした3年間の研究では、SNS利用とウェルビーイングの関係は単純な直線ではなく、U字型の関係が見られました。中程度の利用が最も良い傾向で、利用が非常に多い層、またはまったく利用しない層でもウェルビーイングが低くなる傾向がありました。研究者は、この結果は観察研究なので慎重に解釈すべきだとしています。https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/article-abstract/2843720

面白いのは、「SNSを使えば使うほど悪い」と単純には言えない点です。
データでは、中程度の利用が最も良く、使いすぎると悪化しやすい一方で、まったく使わないことも必ずしも良いとは限らない可能性が示されています。

SNSとメンタルの関係は「単純な悪」ではない

2024年のアンブレラレビューでは、SNS利用は若者のメンタルヘルスに対して、リスクと機会の両方を持つと整理されています。また、その影響は個人の特徴、使い方、プラットフォームの設計によって変わるとされています。https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S245195882400037X

SNSそのものが絶対に悪いというより、「どれくらい使うか」「何を見るか」「見たあとにどう感じるか」が重要なのかもしれません。

SNSはメンタル情報の入り口にもなっている

Pew Research Centerの2025年調査では、10代の34%がSNSでメンタルヘルスに関する情報を少なくとも時々得ていると回答しています。また、10代のメンタルヘルスについて「非常に、またはかなり心配している」と答えた親は55%、10代本人は35%でした。https://www.pewresearch.org/wp-content/uploads/sites/20/2025/04/PI_2025.04.22_teens-social-media-mental-health_REPORT.pdf?utm_source=chatgpt.com

SNSは比較や不安を増やす場所にもなりますが、同時に「自分だけじゃない」と気づく場所にもなっています。

SNSの距離をどうするか

SNSを完全にやめる必要はないと思います。

今の時代、SNSは情報を集めたり、人とつながったり、同じ悩みを持つ人を見つけたりできる便利な場所でもあります。

問題なのは、SNSを使うことそのものではなく、見たあとに自分の心が疲れてしまう使い方 になっていることです。

たとえば、見たあとに落ち込むアカウントを何度も見てしまう。
自分と他人を比べて、気分が沈んでしまう。
寝る前にSNSを見続けて、気づいたら睡眠時間が削られている。

こうした使い方が続くと、SNSは気分転換ではなく、心を疲れさせるものになってしまいます。

だからこそ大事なのは、SNSをやめることではなく、自分の心が疲れる使い方に気づくこと だと思います。

見たあとに気分が重くなるなら、そのアカウントから少し距離を置く。
寝る前だけはスマホを遠くに置く。
なんとなく開く回数を少し減らす。
通知を切って、自分のタイミングで見るようにする。

それだけでも、SNSに振り回される時間は少し減らせるはずです。

SNSは、便利な道具です。
でも、使い方を間違えると、自分の心の基準まで外側に持っていかれてしまいます。

大切なのは、SNSを見ている時に、
「これは自分にとって必要な情報なのか」
「見たあとに気分が良くなるのか」
「それとも、ただ比べて疲れているだけなのか」

と一度立ち止まることです。

SNSに使われるのではなく、自分がSNSを使う。
その距離感を少しずつ取り戻すことが、現代人に必要なのかもしれません

まとめ

SNSは便利で、情報収集や人とのつながりにも役立ちます。

しかし使いすぎると、本来なら休んだり、考えを整理したりする時間が減ってしまいます。

さらにSNSでは、他人の生活、成功、意見、ニュースなどが次々に流れてきます。
そのたびに、焦り、不安、うらやましさ、怒りなど、さまざまな感情が動きます。

その結果、体は休んでいるつもりでも、脳はずっと反応し続けているのかもしれません。

SNSそのものが悪いわけではありません。
大切なのは、SNSに使われるのではなく、自分がSNSを使う距離感を持つことです。

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